メイクセラピストが今、介護現場で必要とされています。その理由は主に3つの効果が期待されているからです。

まず、高齢者の心理的な効果です。メイクセラピストは高度なメイク技法のみならず、セラピーのスキルの両方を持ち合わせているプロフェッショナルです。普通のメイクアップアーティストにはないメイクセラピーの知識を有しているため、高齢者とコミュニケーションを取りながら、心理的な良い作用をもたらします。それにより、高齢者は低くなりがちな自己肯定感を高められ、心理的な安定感を得られるのです。
次に、メイクセラピーは社会的な効果をもたらします。メイクをすることで自分に自信が付くので、周囲とのコミュニケーションを円滑にするのです。実際、介護施設でメイクセラピストを呼んでイベントを開催したところ、施設に入居する高齢者の間でコミュニケーションが円滑になったという事例が多数報告されています。メイクをしてもらった女性はもとより、綺麗になった女性を見た男性の利用者の気分も高まり、相乗効果をもたらすようです。
最後に、メイクセラピーはリハビリ効果をもたらすことでその重要性に注目が集まっています。メイクセラピストからメイクを学び、高齢者がメイクを日課にすることで、手を動かす機会が増えます。手を動かすことで握力を向上させ、さらには脳への刺激につながるのです。これによって、リハビリ効果をもたらしたり、認知症の予防や改善にも高い効果があることがわかってきています。